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エーリヒ・ケストナー.『新訳 飛ぶ教室』.角川つばさ文庫,2012.9

新訳 飛ぶ教室 (つばさ文庫)新訳 飛ぶ教室 (つばさ文庫)
(2012/09/15)
patty、 他

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大学で勉強していた時に
「子ども時代の思い出の一冊」・・・確かそんなようなニュアンスの課題がでて
『飛ぶ教室』と『ふたりのロッテ』で悩んだ私。

結局、片方に決めたものの
ケストナーを調べていくうちに
どちらもケストナーを語る上で欠かせない作品だとわかって
両方ともやっぱり好き!というわけで
メインじゃない方もからめてかいたような(苦笑)

今、思えば、一冊っていう課題なのに
よくあんなので
合格点にしてくださったもんだ・・と恥ずかしくなるかも(汗)

それをきっかけに
ケストナーの人生を知って
もっともっと好きになったのですよね。

でも、当時、ケストナーと言えば
高橋健二さんという方の翻訳が主流で
本は、岩波書店のケストナー全集という
ハードカバーの本でした。

今でも図書館ではそれを蔵書しているところが
いっぱいあります。

挿絵はもちろん
ドイツでの発行当初からのイラストレーター
ワルター・トリヤーさん。

トリヤーのイラストも好きなのですが
やっぱり
今の子はこういう装丁が好きなのでしょうね。

そろそろ高橋さんの訳じゃない新訳があっていいかも・・・と思っていたので
今回、児童文学作家の那須田淳さんの訳とあって
思わす購入してしまいました♪


すごく読みやすいです。
年齢も原作の8年生に対して
ちゃんと ( ) をつけて、中学2年生と書いてあるし
15歳だということも何度か出てくるし
マルクで書かれたドイツのお金が
今の日本の貨幣価値でいくらかわかるようにしてあるので
マーティンがお金で苦労するあたり
ものすごく現実感があり、よくわかります。


超有名作品なので
ストーリーはもういいかな・・と思うけど
一応書いておきます。


最初に作者のケストナーが
クリスマスの小説を書こうとしている場面が
だらだらあって
その後
寄宿学校の生徒たちの学校での物語がはじまります。

実業学校の生徒に
仲間がつかまり、
書きとりノートも持っていかれてしまい
奪回作戦を立てる事件。

それから
日常の授業や度胸試しのような細々した事件。

正義先生や禁煙さん、
お硬いようでいて実はかなり優れた先生なんじゃないかと思う
クロイツカム先生など
かなり素敵な大人たちの出来事。

劇『飛ぶ教室』。
これは未来の学校を想像した舞台で、
子どもも自由に飛行機で
実地検証しながら授業がうけれるという設定の物。
代役が必要になったり、いろいろあります。

いよいよクリスマスイブの日の事件。
優等生のマーティンを取り巻く人々との出来事は
何度読んでも
やっぱり涙なしではすまないです。



最後の解説もなかなかわかりやすくて
よかったです。



評価
オール5

もちろん、これ以外の評価なんてないでしょう?(笑)



今回、そういや
またまたケストナーってどんな人だっけ?と読みなおしたのが
『ケストナー―ナチスに抵抗し続けた作家』
『ケストナーの生涯―ドレースデンの抵抗作家』
この2冊。
下のはケストナーに会ったことがある、高橋健二さんの作。
上のはドイツ人のクラウス・ゴードンさんの作で
訳はこの本と同じ
那須田淳さんと木本栄さんでした。

それから確認のために
ウィキぺディアでちょっと調べたら
またまた間違った事を本当のことのように書いてあって
「またでたー!うそつきウィキ~!」と叫んでしまいました(苦笑)

クラウス・ゴードンさんの本に
ケストナーの母がユダヤ人医師と不倫をしていた可能性がある。
とか書かれていて
ケストナーの名字を持つ戸籍上の父は
養父の可能性があるように書かれています。

でも
ケストナー本人が認めたわけではないので
ユダヤ人の血を受け継いでいるかもしれないという
あくまでも推測の域をでないもののはず・・・。

ナチスがケストナーの本を焚書したのは
当時、発行済みだった
『エーミールと探偵たち』など彼の児童文学すべての挿絵画家が
ユダヤ人だったから。

ウィキも
参考文献にこれらの本をあげるぐらいなら
推測の域は出ていないことだって
わかってもいいようなものなのにね(苦笑)

『飛ぶ教室』で
ノートを焼かれるシーンは
自分の作品が焚書されるのを見たからだという説もあるそうです。

第一次世界大戦、第二次世界大戦と
子どもにも大人にも
しかもナチスという不条理を抱えたドイツにいたケストナー。

最初の物語がはじまるまでの部分には
日記風でありながらも
ケストナーの強いメッセージが込められていて
名言とかにも取り上げられたりしています。

「子どもの涙がおとなの涙より小さいなんてことはない」
なんて
忘れられない言葉です。

「どんなにつらいことがあっても、現実をしっかりみつめよう。・・・(中略)・・・
ボクサーみたいに、しっかりまもりをかためて、うたれ強くなるんだ。・・・(中略)・・・
でないと、人生ではじめてなぐられたときに、すぐにノックアウトされてしまう。・・・」

他にもいっぱいあるけれど・・・

しかも、大人が読めば
こういう大人であるべきだと
またもや考えさせられることもいっぱいあるけど・・・

やっぱり
次々に事件が起きて忙しい彼らを
何度でも応援したくなってしまう・・・そんな物語です。

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2012/10/21 18:00 |   エーリヒ・ケストナーCOMMENT(0)TRACKBACK(2)  TOP

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