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アーシュラ・K・ル=グィン.『どこからも彼方にある国』.あかね書房,2011.2.

どこからも彼方にある国 (YA Step!)どこからも彼方にある国 (YA Step!)
(2011/02)
アーシュラ・K. ル=グィン

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図書館の新着コーナーでみつけて借りてみました。

ル=グィンといえば、「ゲド戦記」シリーズや「西のはて年代記」シリーズ・・・
どちらもちょっとむずかしめのファンタジーだけど
何回読んでもいいしね~とか思って(笑)


日本語版では新刊ですが、
原作は1976年作だそうです。

YA Step! というシリーズ名をかかげているだけあって
文字は一般的なYAシリーズ向けで
文字の大きさだけなら小学校高学年から大丈夫そうだけど
ルピはほとんどありません。
内容はちょっと哲学的なので
中学生以上じゃないと難しいかも。



普通のアメリカの高校生の日常です。
青春小説・・・と解説には書いてあります。


主人公はごく普通の高校生。
17歳の少年、オーウェン。
そろそろ高校を卒業したらどうするのか決めなくちゃならない。

頭がよくて成績優秀。
人とコミニュケーションをとるのがにがてで、
まわりにうまく溶け込めなくて苦労している。

家族に対しても
両親の期待どおりに
平均的な人生を送るべきだと思いつつも
そういう人生に違和感をもっていて
うまくふるまえない。

17歳の誕生日に
お父さんが新車をプレゼントしてくれた。

でも、そんな車にのって学校に行ったら
目立つし、その車の持ち主としてのレッテルをはられそうだし
そんなのいらないのに・・・とも言えず、
なんとなく喜んだふりをして落ち込む。

そんなある日、
大雨になりバスにのったとき、ナタリーという同級生の少女に会う。

ナタリーも社交的なタイプではない。
なんとなくバスで話すうちに次第にうちとける。

彼女は自分を音楽で表現するタイプで
将来は作曲家になりたいという夢をもっている。

そんな彼女といろいろ語り合ううちに
自分もMIT(マサチューセッツ工科大学)に行って
学びたいことがあると気づく。

両親は家から通える州立大学へ通って、
会計士とか公務員とか平均的な職業について
平均的な人生を望んでいる。
とりあえず、受験は両方ともと
他にも有名大学を受験する。

ナタリーとは
なんでも話せる友だちになった。

ある日、ナタリーにキスしたい・・・彼女も女の子なんだし・・・
と思って、キスしてしまったら
ナタリーからは「私たちいい友だちだから」なんて言われて男女関係は拒絶され
ショックで、ボーっと運転していたら事故を起こす。

車は廃車になったものの
けがは軽くて済む。
お見舞いに来てくれたりしたのに
拒否したので
ナタリーとはそれっきり
会わなくなってしまう。

車をダメにしたことで
MITの合格&奨学金授与を獲得したのに
両親の望み通り
州立大学に行こうと考えるようになる。

ただ、それがだんだん心の負担になっていく。

ある日、ナタリーの作曲した曲が
教会の演奏会で演奏される。

聞きに行ったオーウェンは
彼女の曲から、彼女の心の声を聞き
涙が出てくる。

それをきっかけに
またナタリーと話すようになり
MITに行きたい事を両親に告げる。

母は猛反対するが
父は賛成してくれた。

こうして人生の一歩をふみだす。




と、まあ、これで全ストーリーです。



孤独な少年オーウェンの悩み
というような内容です。

評価
面白さ  ?  後からじんわり来るような内容。
お勧め度  4.9 好き嫌いはわかれるところなので
        全員にとは言えないけど、
        両親との関係で悩むならおすすめ。
再読度   4.8 どうかな~。
         西のはて年代記みたいにはまるほどじゃなかったかも。


青春時代にいる人が読むと
もっといいと感じるでしょうね!

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2011/05/04 07:32 |   アーシュラ・K・ル=グウィンCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

アーシュラ・K・ル=グウィン.『パワー 西のはての年代記Ⅲ』.河出書房新社,2008.8.

パワー (西のはての年代記 3)パワー (西のはての年代記 3)
(2008/08/23)
アーシュラ・K・ル=グウィン

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ハードカバー本で厚さが3.5㎝なのに、
2日かからず読んでしまった・・・まだ、本の世界に浸かっていたいです(笑)




パワーでの主人公は都市国家群の中の1つの国、エトラの奴隷の少年・ガヴィア。
水郷人という人らしい顔立ちで、2つ年上の姉・サロと赤ん坊のころにさらわれてきて奴隷として売られたらしい。

ガヴィアの主人は、奴隷の子どもにも教育を受けさせてくれ、
将来の子どもの教育係として期待されている。

ガヴィアには秘密があった。
1つ目の秘密は、「思い出し」とよぶもので、未来の「幻(ビジョン)」が見える。
ただし、その幻(ビジョン)は、いつのものなのかは分からない。
エトラに雪が降ることを言い当てたりしている。
姉のサロによれば水郷人はそういうものをみる力があるらしい。
だが、そのことは姉以外には口外しないよう固く口止めされる。

もうひとつは、過去に1度見たものは
その場にいるようにはっきりと思い出せるという力。
たとえば、1度見た本はページをめくるように
映像として細部まで思い出せる。




物語は、ガヴィアが11歳からスタートする。
11歳から13歳のころは、姉も含めて
「子ども」として屋敷に守られていると感じつつ
おだやかに幸せだと思ってすごしている。

エトラが戦争に突入し、
奴隷としてあちこちに使役に出されたりするようになり
いろいろな人と知り合い、その過程でオレック・カスプロ(『ギフト』の主人公)が書いた本を手に入れる。

そこには、自由への賛歌(奴隷制度に対しての疑問点)などが書かれていた。


15歳の時、姉が理不尽な殺され方で亡くなってしまう。
主人たちに対して、奴隷制度に対して、
疑問をもった彼は
逃亡奴隷として、逃げ出す。



あちこちめぐり、
森の中で逃亡奴隷同士で生活している集団の一員となり1年間一緒にすごす。

初めは自由な生活のように感じるが、
女性に対する扱いは
やはり奴隷に対する扱いと同じであった。



そこでも逃げるように去ることになる。



今度は自分のルーツを探ろうと
水郷人のすむ地域へ向かう。

水郷人は町の暮らしとは違い、文字を持たず、
詩や物語は女性と子どものものとしている。

本当の名前がわかり、母の妹・弟という人たちに支えられ、のんびりした生活を送る。
ここで、1-2年過ごす。

しかし、自分自身、よそ者である感覚や自分の記憶する能力を活かせることができないために
何のための能力か悩んだりしているうちに
「追ってがきているビジョンが見えた。北に逃げよ」と、叔母にいわれ
この地も去ることになる。




逃げる途中、元いた逃亡奴隷たちの町に立ち寄ると、
すっかり焼き払われ何も残っていなかった。
そこに住んでいた当時に文字を教えたメルという女の子
(たぶん7-8歳)をひろい、一緒に旅することになる。



追っては、姉を殺したことにかかわっていた奴隷のホビーだった。




叔母の予言では、大きな2本の川を渡れば追ってからは逃れることができ
命があるということだった。

小さな女の子を連れての急ぎの旅は楽なものでなく、
ハラハラすることの連続。

2つ目の川をわたった先は
奴隷制度のない国・ウルディーレだった。



ずっと憧れていたオレック・カスプロに会いに
大学があるというメサンという町を目指す。


最後の最後に、メサンに到着。
カスプロ夫妻・オレックとグレン、『ヴォイス』のメマーに出会い
一緒に暮らすことになり
夢を目指して大学に入れることにもなる。






今回のストーリーは、「自分探し」をしてあちこち移動しています。
それぞれの国の制度や様々な文化、
さらに「奴隷制度」というものを改めて考えさせられる場面もあり
教育をうける大切さを感じる場面もあり
掘り下げていけばまだまだ読み足りない気もします。



最後はヴォイスとは違う種類の「幸せ感」を味わうことができました。




読後感が幸福なのは
本当に気持ちがいいものです。




評価
オール5

ここ数年で読んだ中で一番いいかも。





2010/04/06 08:22 |   アーシュラ・K・ル=グウィンCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

アーシュラ・K・ル=グウィン.『ヴォイス 西のはての年代記Ⅱ』.河出書房新社,2007.8.

ヴォイス (西のはての年代記 2)ヴォイス (西のはての年代記 2)
(2007/08/22)
アーシュラ・K. ル=グウィン

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完全に寝不足です。
最後まで読んでしまっても、なぜかもう1度読みたくなる不思議な魅力・・。
このシリーズは 今後 何回でも読んでしまうんだろうなぁ・・・と思います。





今回の舞台はアンサラ。
「西のはての地図」によれば、南西の海に面した町。
交易による富と、文化・芸術レベルが高く、大学や図書館を兼ね備えた町だったところ。

主人公のメマーは17歳の少女として出てくる。
10年後ぐらいの彼女が、本に書いたという形式をとっているので
「わたし」というのがメマー。

彼女はオルド人がアンサラの町を侵略し破壊しつくしたとき
母親が暴行されたために生まれた混血児。

オルド人は、本や文字を持たない文化で、自分たちの宗教以外の神を認めない。
アンサラの図書館の本はすべて水に沈められ、本を持っていた人たちは重しとして沈められた。
本は魔物だと思っていて、読み書きを禁じていた。
アンサラの人たちは土地の様々な種類の神をまつっているが
オルド人からすれば、魔物に見える。

メマーの母は、ガルヴァ家の血筋。
ガルヴァマンドとよばれる破壊された館に
かろうじて住んでいる。

母がメマーを救ったのは、
ガルヴァの血筋の人しか入れない秘密の部屋に隠れたから。


しかし、その母はすでに亡くなっている。



9歳のある日、館の主である「道の長(みちのおさ)」サルター・ガルヴァと
その部屋で出会う。
道の長はその部屋で本を守っている。
その日からこっそり、その部屋で文字を習うことになる。



17歳のメマーは、ある日神々の導きで
オレックとグレン夫婦に出会い、ガルヴァ館に滞在してもらうことになる。

オレックとグレン夫婦には6か月で亡くした赤ちゃんがいたとのこと。
生きていればメマーと同じ年の女の子だ・・という。

つまり、『ギフト』から少なくとも18年以上は経過している。


オレックは「創り人」として有名になっている。
詩や物語を語る語り部。
アンサラの図書館の話を聞き、ガルヴァマンドに本を求めてやってきた。
今までにも本を印刷して、たくさん世にだしてきたり
語りによって物語や詩を広めてきたらしい。

グレンは用心棒がわりに「ハーフライオン」という大型犬程度の大きさのライオンをつれていた。




オレックが来たことで、町の若者たちが初めて知るアンサラの英雄物語や
そのほか様々なことによって
拮抗が崩れ、オルド人に反乱をおこすことになっていく。

その大きな流れの中で
メマーはガルヴァのギフト「読み手」としての
お告げを読みとり声にする力を発揮する。



メマーの望みのように
オルド人に対しての徹底的な勝利にはならないものの
道の長やオレックやそのほかの大人たちによって
アンサラの自由は取り戻される。

その過程で
メマーの発した「声(お告げ)」は威力を発揮する。



「ヴォイス」のタイトルは
ギフトの時のように
そのお告げの読み手という能力だけでなく
オレックの語りの声や
オルド人のガント(王)の声明など
いろいろな「声」を暗示しているようだ。


ラストシーンでは
心が温かくなるような幸せを感じることができる。
読後感が幸せな気持ちになれるなんて 本当に素敵な1冊。




評価  もちろんオール5

ここ数年で新たに読んだ本の中では
最高ランクだと思う。

2010/04/05 10:35 |   アーシュラ・K・ル=グウィンCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

アーシュラ・K・ル=グウィン.『ギフト 西のはての年代記Ⅰ』.河出書房新社,2006.6.

ギフト (西のはての年代記 (1))ギフト (西のはての年代記 (1))
(2006/06/21)
アーシュラ・K. ル=グウィンUrsula K. Le Guin

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あまりによかったので、思わず2回も読んでしまいました。

ゲド戦記のような「ハイ・ファンタジー」とよばれるジャンルになると思います。



主人公の少年オレックが13歳から15歳か16歳までの物語。
場所は、高地とよばれる地域で
「西のはての地図」によれば、この地域の北東に位置するようです。

初めのシーンで、オレックは目隠しをして生活していることが語られます。
その後、なぜ目隠しをするようになったのか、
「ギフト」とは何か・・が
徐々にわかってきます。

ギフトとは、贈りものの意味もあれば
高地の人々が生まれ持つ「特殊な才能」のことをさす時もあります。

オレックの幼馴染の少女グレンは
動物を呼び寄せたり、心を通わせたりする「ギフト」を持っています。

ギフトは
男親からは男の子に、女親からは女の子に
同じ種類のギフトが受け継がれていきます。


オレックの持つギフトは「もどし」のギフト。
しかし、何度やってもうまくギフトを使えません。

父親の期待が大きくなればなるほど
できないもどかしさ、
その期待を重圧に感じること・・など
現代でも親子にありがちな状態が
オレックを追いつめます。

ある日、ようやくギフトが使えた・・と思ったら
かなり強いエネルギーで、自分自身ではコントロールできない・・
自分の力が怖い・・と感じ
力をふるう源である「目」を父に頼んで封じてもらいます。

それが、目隠しとなります。





さまざまな出来事が起き、
目隠しをはずす決心をするまで
・・・・そして
自身で考え、高地をでて行く事にし、出発するシーンで終わります。




この「さまざまな出来事」については、ぜひ読んでね~♪ということで割愛するとして(^^;)
思わず2回も読んだ理由♪


オレックは、普通に一生懸命生きている少年です。
親の期待に答えたいと思いつつも
できない事に対して、悩みます。
同い年の幼馴染の少女に対して、本人は気付いていないものの
深い愛情を感じています。

「ギフト」をよりよいものに高めるために
オレックとグレンの両親は
それぞれ自分たちのギフトと同じ系統の少年・少女と婚約させようとします。

二人は、最終的に自分たちの意思で、結婚することを決め、
高地の土地を出て行くことにします。

その間の出来事1つ1つに対しての
心の動きや葛藤が
何回読んでも心に染みいるのです。





評価
オール 5

何回でも読みたくなるような、そんな1冊です。

ゲド戦記よりも、感情移入しやすいと思います。



※中3の 比較的 本をよく読んでいる子に勧めてみたのですが
難しい・・と言われてしまいました。
『ブレイブ・ストーリー』や『ぼくらの七日間戦争』シリーズ、香月日輪、はやみねかおる、などは
すべて読破しているし、
最近は東野圭吾にもはまっていたのでどうかな・・と思ったのですが・・・。
ハイ・ファンタジーは初だったし、外国人作家だと
道徳観や宗教観などの基本的な考え方が違うからかしら?
勧める相手は選ばなくてはいけないみたいです(^^;)







2010/04/03 21:49 |   アーシュラ・K・ル=グウィンCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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