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安澄加奈.『いまはむかし 竹取異聞』.ポプラ社,2011.10

いまはむかしいまはむかし
(2011/10/15)
安澄加奈

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竹取物語の話がどうやってできたか・・・という設定のファンタジーです。



中学校の1年生で最初に学習する古典、『竹取物語』。

現代語訳の本を読むと
多彩で複雑なエンターテイメント作品だということがわかります。

求婚者たちが
5つの宝を取りに行くストーリーは
ミステリー仕立てあり、コミカルあり、冒険ものあり・・・という感じだし
帝との恋愛もあるし
月の世界へ帰るという設定はSFですよね。

そんな物語なのに
作者がわからないのが『竹取物語』なんですよね。

そこを
この本は狙ってきています(笑)

帯に
YA児童文学の翻訳で有名な
金原瑞人さんが
「ハイテンポ、ハイクオリティ、ハイテンション。
和製ファンタジーなのに、なぜかハイ、ハイ、ハイと
重ねたくなるノリのよさと楽しさが魅力です。」
というコメントを書かれています。

本当にそういう感じです。



ストーリー

月守の少年、アキ(阿生)とキヨ(輝夜)。
2人はかぐや姫の5つの宝をさがし
すべてを集めたら
天へ返そうと考えて行動している。

手に入れた宝は
封印して力が使えないようにして集めている。

かぐやの力を狙った人たちによって
住んでいた村を滅ぼされてしまった2人は
神の力を天へ返すことで
平和を得ようと思っている。


都の武家の長男だが
武人になりたくなくて家出した弥吹。
彼が心配でついてきた
弥吹の家のおかかえ薬師の娘、朝香。

しっかりものの朝香が
道中集めた薬草を売って稼いでいるという状況。

弥吹は考え
自分が得意とする
物語を語ることを売り物にすることを思いつく。


このふた組が
雷を繰るというかぐやの宝「竜の首の珠」をめぐって知り合い
なんとなく協力して
珠を取りかえすことになる。

その後、一緒に行動し
それぞれが影響し合って成長していく。

阿生にも後半で大きな秘密があることがわかるし
輝夜は
読んで字のごとしの秘密を抱えているし
弥吹なんて
語りを売りにしているだけかと思ったら
ピンチの時にとんでもないわざを繰り出してくるし
展開も早くて
エンターテイメントとしても
かなり面白いです。


評価
オール5

ルピなしの一般書。

この作者さん
この本がデビュー作だとか。
現役大学生・・・しかも薬学部の学生さんらしいです。

発想がすごいですよね。

中学生が『竹取物語』を学習する時に読んだら
ものすごーく面白いと思うのじゃないかしら。


あまりにはまってしまって
あっという間に読んでしまいました。

時代設定は古典なのですが
古い感じはまったくしません。

登場人物が
みんな現代的な考え方だから
・・・かしらね?





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2012/06/28 23:15 | 日本の作家 あ行COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

大沼紀子.『真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒』.ポプラ社,2012.2.

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)
(2012/02/03)
大沼紀子

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メインのキャラクターはすでに出演済み(笑)なので
ちょっと安心して読めます。

事件を持ち込んでくるのは
パン職人の弘基の中学時代の彼女だとかいう女性。

行くあてがなくわけありという感じで
パン屋の2階にすみついてしまいます。

なぜか大金を持っているみたいだし
どうも、結婚詐欺を生業としているようだし
怪しいことだらけです。

女子高生の希実は
店主の暮林さんや
お客の斑目氏がかもにされないように
気を配っているというのに
大人たちは意に介せず・・・といったところです。

でも
ころがりこんできた女性には
裏があって
思っていたこととは全然ちがう展開に進んでいきます。

脚本家でかなり個性的な趣味をもっている斑目氏が
今回は大活躍です。

もちろん弘基も希実も活躍します。

パンもあいかわらずおいしそうです。


評価
面白さ  5
再読度  4.9
お勧め度 5

ライトノベル感覚で読むなら
オール5でもいいかもね(笑)

あっという間に読めます。
面白いです。

2012/06/22 09:43 |   大沼紀子COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

三上延.『ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常』.2011.10 

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
(2011/10/25)
三上 延

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今回は病院のベットからではなく
栞子さんはちゃんとお店の店主として働いています。

本知識のまったくない俺・大輔も
店員として働いています。

そんな日常のなかでおきる
やっぱり本がらみの事件。

今回は
1冊でひとつの大きな事件になっています。

もちろん殺人事件なんかはおきません。

一通のFAXによる本の問い合わせからスタートします。

FAXをうけとった大輔は
その本の題名さえ読めないでいると
FAXの送り主から電話があって
本に関して無知だと思われてしまう。

栞子さんに確認すると在庫ありの即答だったので猛反省。


他の事件としては、
売りにきた本をおいたまま消えてしまった
お客をさがしたりします。

それからしばらくして
大輔の高校時代の元彼女が
古本を売りたいと
連絡をとってくる。

その本の元の持ち主は
亡くなった彼女の父親で
なぜ本をビブリア古書堂に依頼したのか謎を解いていきます。

FAXの主の謎も解きます。

栞子さんとの関係も
ちょっとだけいい感じ?かもしれないです。


評価
面白さ  5
再読度  4
お勧め度 4.5


ルピなしの一般書。
おもしろいのですがちょっとあきてきたかも(苦笑)

状況を見ないで
指示だけ出していた時の方が
推理小説としてはおもしろかったかも。

2012/06/22 09:33 |   三上延(みかみえん)COMMENT(3)TRACKBACK(1)  TOP

ジョン・スティーブンス.『エメラルド アトラス 最古の魔術書』.あすなろ書房,2011.12

エメラルド・アトラス: 最古の魔術書エメラルド・アトラス: 最古の魔術書
(2011/12/07)
ジョン スティーブンス

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スピード感のあるファンタジーです。

4歳のケイトの両親がクリスマスの夜に
行方不明になります。

ケイトは両親に
2歳の弟マイケルと1歳の妹エマを守ることを約束します。

その日から、孤児院での生活がはじまり
孤児院を転々とします。

10年後。

次の行き先で問題を起こしたら
もう、行くところはない・・・と脅された移転先の孤児院は
カナダとの国境近くの辺鄙なところにある
ケンブリッジ・フォールズという
不気味な荒れ地にあるお屋敷。

なぜか
子どもはケイトたち3人だけらしい。

屋敷内を探検していて
不思議な部屋を見つけ
その中にあった本に写真をはさんだら
突然知らない場所へ飛ばされてしまう。

本の持つ秘密は何か?

ケイトの秘めた力って何?

引き取ってくれたピム博士は
いったい何者?

両親はこの事に何か関係があるのか?

父の残したドワーフのことが書かれた本の持つ意味は?



三部作の1作目だそうです。

残りはマイケルの持つべき魔術書の物語と
エマが持つべき魔術書の物語の様です。

ハラハラどきどきするシーンが続きます。

ラストは
思いがけないことが起きて・・・・。

とてもあたたかい気持ちの読後感になります。


評価
オール 5

ファンタジーの好きな人にお勧めです。

ルピは小学校高学年むけぐらいからのYA図書と同レベル。
文字の大きさは少し小さめ。
中学生ぐらいからを対象にしている本レベルの大きさ。


アトラスは地図のこと。
エメラルドは宝石のことですよね!

読み終われば
納得のタイトルです。

2012/06/20 23:40 | 未分類COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

カニグズバーグ.『13歳の沈黙』.岩波書店,2001.11

13歳の沈黙 (カニグズバーグ作品集 9)13歳の沈黙 (カニグズバーグ作品集 9)
(2001/11/05)
E.L. カニグズバーグ

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『クローディアの秘密』の話で盛り上がっていたら
それよりもこっちの方がずっとずっとおもしろいよ!

中学生に言われては
読むしかないわね~。

という軽い気持ちだったのですが
読み始めは
ん・・・・とか思っていたものの
1/3過ぎるころには
やめられなくなっていました。


13歳の
僕・コナーと友だちのブランウェル。

物語は緊急通報の電話からはじまる。

その通報をきっかけに
ブランウェルは話せなくなってしまう。

コナーは
どうにか彼を話すことができるようにしようと
収容された保護センターに通うことにする。

はじめはなんとか話してほしいだけだったのだけど
それがだんだん大きな意味を持つのだと知る。

というのも
ブランウェルは
赤ちゃんである妹を故意に傷つけ
昏睡状態にしたという疑いがかけられている。

このままでは
彼は犯人にされてしまう。

保護センターから出れないし
しかも
何も話せないブランウェルから
どうにか必要な事を聞き出し
姉のマーガレットと一緒に
真相を追及していく。

ハラハラドキドキすることが
いっぱい出てきます。

13歳の男の子たちらしく
大学生のお姉さんの色気にクラッとしてみたり
本当にいろいろなことがおきます。

ブランウェルは
本当に事件を起こしていないのか。

事件の真相は?

ブランウェルの臨む解決方法とは?



評価
面白さ  5
再読度  5
お勧め度  5

なんだけど
なんだかちょっと読みにくさがあるのですよね。

ブランウェルは
言葉遊びや
言葉にこだわりがある子なので
結構いろいろな長文なんかも出てくるのですが
微妙に日本語としてどうなの?
と感じるようなところがあったりします。

特に
一文の長文は
読みなおさないとわかりにくかったり・・・というのがあります。
きっと英語を直訳すればこんな風な感じなのでしょうかね。

それとも
もともとの英語も
ちょっとややこしい感じの雰囲気の文章なのでしょうか。



ストーリーは本当に面白いです。

はじめは
ただ友情物語かと
思うのですが
どんどんミステリー物という感じになっていきます。

たしかに
『クローディアの秘密』よりも面白いです。

2012/06/18 16:02 |   カニグズバーグCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

小手鞠るい.『お菓子の本の旅』.講談社,2012.4.

お菓子の本の旅お菓子の本の旅
(2012/04/21)
小手鞠 るい

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図書館で表紙見せ状態で書架においてありました。

表紙の色と文字のフォントの雰囲気と
タイトルにつられて借りてみたら、
あっという間に読んでしまいました。


中1の女の子・遥(ハルカ)。

夏休み。

父が再婚し、新婚旅行に行く間、
アメリカの父の友人の家にホームステイすることになる。

楽しみにしていたものの
一家の男の子たちに言葉をからかわれて
落ち込んでひきこもり状態になっています。

日本からの荷物が届き
箱をあけると見知らぬ本・・・『お菓子の本』がでてきた。

白い表紙にタイトル文字だけ書かれていて
作者名も出版社名もありません。

中はいかにも手書きでレシピが載っていました。
かわいいイラスト入りです。

ある日、その中の1つのケーキをこっそり作ります。

そのケーキをきっかけにホームステイ先の子たちと
一気に仲良くなっていきます。

ケーキはおばあちゃんの懐かしい味がしたので
作者が誰か考えます。

で、その本がなくなったお母さんのレシオい本だと知るのですが
本をどこかで亡くしてしまいます。


それをひろった中学生の少年・淳(ジュン)が
もう一人の主人公。

パン屋の祖父が亡くなり
おじいちゃんが飼っていた猫も行方不明。

お母さんはパン屋はもう閉めるといっているし
どうしていいのかわからない淳。

この本の持ち主もだれなのか気になっている。

ふと、『お菓子の本』の中からスコーンのページを見つけ
朝4時に起きて、お母さんと自分のために
作ってみようと思い立つ。

作っているうちに
おじいちゃんが「こんな幸せな仕事はない」と
言っていたことなどを思い出します。

猫もにおいにつられたのか帰ってきて
お母さんもスコーンを食べながら
パン屋を継ごうと決意します。

淳もパン屋の仕事に魅力を感じます。

その後
パン屋は再生オープンし
偶然にも常連客に遥がなるのですが
遥は引っ越していきます。

そうして
遥は大学生、淳はパン職人として
スタートしたころに
2人の糸は・・・・。


評価
オール 5

特にYAレーベルではないみたいですが
文字の大きさもルピもYAレーベルの本のような感じ。

小学校高学年ぐらいでも読めるでしょうが
お勧めは中学生以上かなぁ。

章ごとに1話完結っぽい感じなので
本当に
あっという間に
読めてしまいます。

後味も
パン屋さんのような
ほんわかあたたかい気分になれます。

2012/06/09 22:03 | 日本の作家 か行COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

朽木祥.『オン・ザ・ライン』.小学館,2011.7.

オン・ザ・ライン (SUPER! YA)オン・ザ・ライン (SUPER! YA)
(2011/07/13)
朽木 祥

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2012年度、高校の課題図書です。

硬式テニスの小説だ~!
ということで、読んでみました。

高校に入学して
友だちになった文武両道型のイケメン貴之にさそわれるまま
硬式庭球部に入った俺・侃(かん)。

活字中毒で
しかも体育会系。
彼は体育会系のことをオールマッスルズとよんでいます。

2部にわかれていて
1部では
完全にスポーツ青春小説という感じ。

テニスが好きなら
練習風景や
ものにしようとしているサーブやボレーなどなどに対して
ものすごく共感するでしょう。

しかも
テニスをする人は
頭脳派の人が多いから
そういううんちくを語ったりしているシーンにも
共感するんじゃないかなぁ。

練習して
チームとしても
個人的にもどんどん成長していきます。

高校生なので
好きな女の子とかもできたり
あっけなく失恋したり・・・と
いろいろ忙しいです。

ところが
1部の終了時点で事件が起きます。

2部では絵ハガキが抽象的に活用されていて
もう、かんも貴之も
ダメになっちゃうんじゃないかと思うほどです。
苦しくてもがいてもがいて・・・そうこうしている
じょうたいが続きます。

でも最後はやっぱり
スポーツ青春物語というスタイルで終了します。


なんだかね~。
高校生のうちに
いろいろ経験した方がいいわよ!
スポーツも勉強も恋愛も
できる時期にしっかりなんでもやったほうがいい!
という感じです。


評価
オール  5


極上のスポーツ青春ものです。
高校生だけでなく
中学生にも読んでほしいかも。

硬式テニスをする人には
特にお勧めです。

でもテニス知らなくても
充分楽しめます。

ルピも文字の大きさも
普通のYAレーベルという感じです。

一気に読めます!

2012/06/04 22:17 | 日本の作家 か行COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

高橋秀雄.『地をはう風のように』.福音館書店,2011.4

地をはう風のように (福音館創作童話シリーズ)地をはう風のように (福音館創作童話シリーズ)
(2011/04/25)
高橋秀雄

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2012年度の中学校の課題図書です。

いかにも課題図書という感じの本です(苦笑)

栃木県の田舎が舞台です。
小6の主人公コウゾウは
来年小1になる弟・稔と
母親・キヌエと
祖母・キヨの4人家族。

物語の最初の方は
いつの時代の設定なのか書いてありません。
わかるのは真ん中あたりです。

それまでは
「いったいどんな田舎?」
と思いつつ読み進めることになります。

コウゾウは
薪割りを家族の中の仕事としてこなしているし
本家の田んぼの仕事には
どんなことがあっても行かなきゃいけないし
田植えはどうやら手作業で行っているみたいだし
お風呂は自宅になくて
2日に1回、本家のお風呂を借りに行っています。

春からはじまり次の春までの1年間。

キヨはいつでも本家にたいしてぺこぺこしています。

コウゾウはそんなキヨの態度が気に入らないみたいです。

父は、戦地から帰って来た後に病気で亡くなったということです。

そういうような事情で
戦死したりした人に給付されたお金などももらえず
とても貧しい生活をしていて
その中で
苦労しながらも
たくましく成長していく少年の物語・・・という感じです。



読み進めていくと
時代設定がわかるので
お風呂は川で水をくんできて
薪でわかすのが普通なんだとわかってくるのですが、
きっと課題図書でなかったら
今の中学生ならだれも手にとらないような
設定でしょうね。

まるで、教科書の中に書かれているかのような
確かに「いいはなし」なんだろうけど
せめて時代設定は
今の子どもたちの共感をえられるようなほうが
読みやすかったかも・・・。

評価
面白さ  3
お勧め度  3
再読度   1


実は途中から
どんどん斜め読みになってしまいました。

コウゾウがいろいろ悩むのはわかるし
こういう種類の思春期の子が主人公の
成長物語を中学生に読んでほしいのはわかるのですが
やっぱり課題図書って
大人目線で選んでいるよねぇ・・・
なんて思ってしまいます。

ラストシーンでは
本家のもうすぐ結婚するという忠雄さんと星空を見上げています。

オリオン座のベテルギウスを名指しで見ているのですが
もしも今年とかに
ベテルギウスが本当に爆発しちゃったら
この物語も違って見えるかもしれない?!
・・・そんなわけないですよね(苦笑)


課題図書のポスターの推薦文には
実はこの本の時代設定がかいてあります。

けれども何も知らずに本を読むと
時代設定は半分ぐらい読まないとでてこないです。

ということは
作者はある程度
意図して時代設定を書くことを
はじめに持ってきていないのじゃないかしら?

それなのに
ポスターで設定を宣伝しちゃっていいのかなぁ・・・。
知らずに読むほうが本当はいいのかも。
・・・なんてことも思ってしまいました。


あぁ~もう~
こんなにつっこみしちゃって・・・(やれやれ)・・・。

もうちょっと今の時代の子どもの読書ニーズにあう本を
課題図書にするのは
難しいのかしら・・・。

なんて思ってしまうのです。

2012/06/02 10:34 | 日本の作家 た行COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

パットリック・ネス.シヴォーン・ダウド原案.『怪物はささやく』.あすなろ書房,2011.11

怪物はささやく怪物はささやく
(2011/11/07)
パトリック ネス

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2012年度の中学校の課題図書です。

この本、装丁がとてもきれいです。
白黒のイラストだけなのですが
紙も真っ白でしっかりしているので
イラストがとても引き立っています。

本文中にもたくさん白黒イラストが使われています。

挿絵が文字ページのふちどりのように使われていたり
ポイントになる部分では
見開きで挿絵がせまってくるので
挿絵も小説の一端のような気がします。

ちなみに
課題図書の推薦文章を読んでも
この本のよさはちっとも伝わらないかも(苦笑)。



主人公はコナーという少年です。
病気の母親と2人で暮らしています。

母の病気はかなり重いようです。
話す時は無理に明るくふるまっているようなのですが
次第に弱っているみたいです。

コナーは
学校で「母子家庭」「母親が重病」というレッテルをはられていて
先生もクラスメイトも
誰もが自分を「かわいそうな」存在として
腫れものを扱うような態度なのが
気に障っています。

いじめっ子のリーダー格のハリーが
自分をいじめる時だけは
同情されているわけではない・・・と
妙な安心感をもっていたりします。

コナーは
真夜中の12時7分になると
時々現れる怪物と
物語を語り合っています。

怪物の登場シーンは
かなり迫力があります。

怪物はイチイの木の怪物で
様々なふしぎな物語を語ります。

昼間の生活では
おばあちゃんがうちに来たり
お母さんが入院したり
離婚して
アメリカで新しい家族と暮らしているお父さんが
会いに来たり
します。

学校ではどんどん孤立していて
空気のような扱いをされることに不満をもっています。
先生までが
コナーを腫れもの扱いしていて
提出物を出さなくても
何も言わないような状態です。

怪物はなんのために現れたのか?

なぜイチイの木なのか?

怪物が現れる時間が真夜中の12時7分なのは
何か意味があるのか?

怪物の言う「いやし」とは何か?

コナーの日常生活はどうなっていくのか・・・。



最後にすべてのピースがはまり
怪物の来た意味がわかります。


ラストシーンは
本当にぐっときます。
泣けます。
タオルが必要でした(照笑)

余韻も素敵な
不思議な感覚の物語です。


評価
オール 5

課題図書もたまにこういう大当たりがあるのよね~。
と、いいたくなるほど
装丁も含めて素敵な1冊でした。


ルピは、YAとしてはやや少なめ。
文字は小さめだけど
挿絵が多いので
たぶん総文字数はたいしたことがないと思います。

イチイの怪物の挿絵が
本当に素敵なんです。

迫力もあるし
悲哀も感じられるし
イラストだけ眺めていても楽しめます。

2012/06/01 22:45 | 外国の作家COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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